突然、俺のマネージャーである一色さんが口を挟んできた。

「初めて鈴原さんの歌を聴いた時、すごい勢いで俺に電話してきてさ~」

「えっ?」

鈴原さんがかなり驚いている。

恥ずかしいから、本人には絶対言わないでほしかったのに。

「ちょっと一色さん、何言い出すんですか!?」

慌てて話を止めようとしたけど、一色さんはかまわず続けた。

「本物の歌姫見つけたって大騒ぎしてたんだよ。そんなわけだから、これからも由弦のことよろしくね」

一色さん、酒が入ってかなり饒舌になってるな。

フォローした方がいいよな、と思って口を開きかけた時、

「大先輩にそんな風に言って頂けるなんて、光栄です。こちらこそ、これからもよろしくお願いします」

鈴原さんが照れたようなはにかんだ笑顔でそう言った。

「うん、うん。鈴原さんはホント素直だし礼儀正しいし、いい子だな~」

一色さんが満足そうに頷いている。

完全に若い女の子に絡む酔っ払いのオヤジと化してるな。