「うん。さあ、少しは書けそうな感じかな?」

「…はい。ありがとうございます」

それから、私たちは喫茶店を出て別れた。

当然のように私の分まで会計を済ませて、「また何か悩みあったら聞くから」と言ってくれた由弦さんを、改めて大人だと感じた。

家までの帰り道は、心も足取りも軽くなっていた。

今なら、いい詞が書けるかもしれない。

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歌うことは生きること
生きることは歌うこと
これからも歌い続ける
君がいる虹色の世界で
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「いいね、これでいこう」

「ありがとうございます」

あれから、やっと作詞が進んで、なんとか締め切りに間に合った。

かなり難産ではあったけれど。

「レコーディングは遠坂さんも参加してくれるからね」

「はい」

良かった。今回も由弦さんが参加してくれるんだ。

こうして無事に曲が完成したのは、あの時アドバイスしてくれた由弦さんのおかげだからレコーディングの時に改めてお礼を言おう。