クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「ごめっ、だいじょぶ、だから」


頼むから安静にさせて!と思っていると、笹岡がポケットからハンカチを出した。

え、意外にマメ。
絶対もたない派だと思ってた(失礼)。


「激甘イチゴ味だから、乾いたらベタベタするかもな」

「え、イチゴ味の炭酸ジュース……?
プッ。笹岡、変な趣味してるね!」


思わず吹き出しちゃった。
だって、男子がイチゴ味って意外すぎ。


「先輩なら、絶対に選ばないだろうなぁ」

「……なぁ丸西、目ぇつむって」

「ん?」

「顔、早く拭かせろって」


あぁ、そっか!

ベンチに座る私の前に立ち、背中をちょいと丸めて、笹岡が顔を拭いてくれる。

あ、いい匂いがする。柔軟剤のにおいかな?


「笹岡~、まだ?」

「もうちょい……、つーかさ。なんか丸西って、お嬢様っぽくないよな」

「え、いきなり何?」

「だってタイムセールに突っ込むお嬢様なんて、見た事ねーよ」

「あ~、そりゃ確かにね」


ハハハー、と乾いた笑いが出る。


「確かにお嬢様っぽくないよね。私って根っからのお金持ちじゃないからさ」