「やべ! サツだ」
「ずらかるぞ!」
サイレンを聞いた男たちは、バイクに乗って去っていった。
恐怖もあって、さっきまで大きく見えた男たち。だけど今や米粒ほどの大きさ。その小ささに安心を覚えて、やっと肩の力が抜けた。
私、助かったんだ……っ。
「よ、かったぁ……」
体の力が抜けていく。まるで骨がないみたいに、へにゃへにゃだ。
もし先輩が来てくれなかったらって。想像するだけで恐ろしい……。
「こんな小細工で逃げるなんて。大したことないね」
言いながら、先輩はポケットからスマホを取り出す。すると、サイレンの音が大きくなった。
え、まさか……。
サイレンの音って、先輩のスマホから流れてたの?
「アンタさ、自分がお嬢様なら護身術くらい身に着けなよ。あんな奴らに負けてるようじゃ、この先が思いやられるんだけど」
「す、すみません……」
そっか、そんな撃退方法もあるんだ……。
思わず感心してしまって、流れる罵倒にも素直に頷く。
「というか先輩は、どうしてここに? 女の人は?」



