クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です


いきなり現れた先輩は、まるで待ち合わせに来たみたいに、自然と私と男たちの間に割り込む。


「この人もらっていくから」


それだけ言って、男たちの中にいる私をかっさらった。

先輩の突然の登場に、男たちはなすすべなく固まっている。

先輩を知っている私でも驚くくらいだから、男たちが呆気にとられるのも無理ないよ……。

だけど先輩は、限りなく「いつも通り」だった。

「さっき」と呟いた後。
私と向き合い、顔を歪める。


「俺の名前を呼ぶくらいなら、大人しく家に帰ってきなよ。今何時だと思ってるの? 本当に時計が読めないんだね」

「う……、すみません。でも、そんな事より今は、」


すると、遠くの方で何かが聞こえる。
あれは……パトカーのサイレン?