♡±0から動くheart



「で、どうしてアンタが知ってるワケ?」

「えっと……」


この前の、甘いコンビニの件から一転。

私は部屋の真ん中に正座をさせられ、城ケ崎先輩からお説教を食らっています。


「俺が時山先輩の事を好きって。どうして知ってるか吐けって言ってんの」


――事の発端は、五分前まで遡る。


『先輩、電話ですよ』


朝ごはんでの出来事。

先輩はコーヒー。私はパンと紅茶。
お決まりのご飯に、それぞれ口をつけていた。

その時、ブーと振動した先輩のスマホ。

画面を見た先輩は「あぁ」と、迷いなく電話に出た。


『久しぶりだね。うん、元気だよ』


そこまでは良かった。
そこまでは。

だけど、いかんせん。
その後が最悪だった。


『今夜? イイけど、ウチに煩いのがいるよ?
……分かった。なら今夜ね、待ってる』


ブツッ、コトン
スー


通話を切り、スマホを机上に置く。

そして先輩は……何事もなかったように、コーヒーをすすった。