クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「ふ、ふぁぃ……。よろしくお願いします、芹ちゃんっ」


みんなで頑張った思い出と共に、風に揺られながら横断幕が堂々となびいている。その姿を見ていると、なぜだか私も勇気をもらえた。

ヨシ、もうひと踏ん張りだ!


――そして、放課後。


「きょ、今日こそ、調査……」


ボロボロになりながら駆け込んだのは図書室。

今は体育祭準備の真っ最中ということで、図書室には誰もいない。図書委員さえ不在な今、絶好のチャンス!


「えーっと、まずは……時山先輩に協力出来る人って限られる気がする。外部の人間に協力を求めたところで、リークされる危険があるわけだし。

となると、血縁関係のある人……?」


ズラリと並ぶ本棚の中、めぼしい本がないか調べる。

ウチと違って時山家の歴史は古いから、家系図はなくとも似たような情報が転がってないか、手当たり次第に本をめくった。


「ん~、ないなぁ……」


学校に「時山」と名字がつく生徒は、時山先輩だけだ。だとしたら、名字が違う血縁関係を持つ人物が怪しい。

だけど約四百人いる生徒の中から、どうやって――


ガラッ


わわ、人が来た!