クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「!」


やっぱ、それはそれで怒ってますよね!

先輩が私を許すはずないって分かってました!


「立って、凪緒」


先輩は座ったままで、私だけが立ち上がる。

その状態で、先輩は――


「このまま俺にキス。できる?」

「え!」

「イヤなの?」

「イヤじゃ、なくて……っ」


もちろん嫌じゃない。先輩とキス出来るなんて嬉しいに決まってる。

だけど、なんか……。


「わ、私も座っていいですか?」

「なんで?」

「先輩と同じ目の高さで、キスしたいです……っ」

「!」


先輩は目を開いて驚いた。そして、

「人を見下(みおろ)すのが大好きな人もいるのにね」と、なにやら呆れて笑う。


「誰のことですか?」

「……それより、キスは?」

「じゃ、じゃあ座らさせていただき、

――んっ⁉」


座る前に、先輩からキスされる。

先輩を見下ろしながらキスするのって、スゴク悪い事してる気分になって……だめ、むり。やっぱり座りたいっ。

キスしつつ、腰を下げる。
すると、まるで阻止するように。