クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「え?」


先輩が、私に謝った。
ごめんって言った……。

先輩、私の悲しい気持ち……ちゃんとわかってくれたんだ。


「先輩どうしちゃったんですかぁ、何か悪いモノでも食べたんですかぁ?」


うえーんと。泣きながら不思議がる私に、城ケ崎先輩は自身のハンカチを取りだす。

そしてポンポンと、優しく涙を拭いてくれた。


「朝、凪緒が言ったんでしょ」


――私は……、優しい先輩が好きです


「あとは気に食わない奴からも同じことを……って、それはいいや。言いたいことは一つだけ。

俺と仲直りして、凪緒」

「っ!」


そんなの……仲直りするに決まってるじゃん。

むしろ私こそ「意地はってごめんなさい」って謝ろうとしてたんだし。

なんで先輩が「俺がぜんぶ悪い」って落ち込んだ顔するんですか。


「先輩、私も謝りたかったんです」

「……なんで? 凪緒は別に、」