クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「こ、怖かったですよ! さんざん甘いかと思えば、急にそっけなくて。しかも怒ってるし……。

せめて怒ってる理由くらいは話してほしかったです」

「あれは……」


「うっ」と言わんばかりの先輩の顔。

怒っているのか困っているのか、眉毛がぐにゃぐにゃと歪んでいる。


「朝は……、浮かれてた自分が恥ずかしかっただけ」

「浮かれる? 何にですか?」

「やっと凪緒と…………って、やっぱ言わない」

「え⁉ 久々の寸止めがコレですか、先輩!」


もう一押しじゃないですか、言ってくださいよー!
とお願いする私に、なぜだか先輩は顔を赤くした。

さらには「とにかく」なんて。

私を黙らせるには、うってつけの言葉を言う。


「笹岡の事は気にしなくていいから。以上」

「え~」

「あと……朝はごめん」