だけど、この時。 浮かれた私は気づいてなかった。 私が一言も「笹岡」と言ってないのに、その人の名を先輩が口にしたことを。 そして―― カサッ 私が忘れた「何か」を思い出させるように、先輩の服から静かに音が鳴ったことを。 ❁⃘*.゚