クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です


「そ、それは違うんです! 私のではありません!」

「アンタのカバンに入ってたのに〝自分のじゃない〟なんてウソ、通じるわけないでしょ」

「とにかく違うんです!」


先輩が持っているブツを、何とか取り返さないと!限界まで手を伸ばせば、きっと届くはず……!

と思ったけど、


ドサッ


「お嬢様育ちでも意外に積極的……」

「ち、違います、事故です!」


体を起こしたのはイイものの、フカフカ過ぎるベッドがアダとなり、今度は私が先輩を押し倒してしまった。

わぁ、何やってるの、私……っ!

クイーンサイズのベッドの上、二人の体に沿ってシーツのシワが出来ている。


「どうしても返してほしい?」

「どうしても返してほしいです!」

「ふーん、なら。お手並み拝見といこうか」

「へ? ぶっ、わぁ!」


先輩の面白がる顔が見えた瞬間、顔の周りにかかる霧。

いい匂い……って、コレ! トヨばあがくれた香水じゃない!