「私、変わりたい。誰かを幸せにする力がほしいの」
「お前が十六年間さぼってきた事だ」
「それは、本当に反省してる。ずっと後回しにしてきた私が悪い。
だから、挽回させてほしいの。
誰かの……ううん。
大事な人の、役に立ちたい!」
「……」
お父さんは何も言わなかった。
何も言わず、私を見つめていた。
それは「本当に覚悟はあるのか?」と問われているようで――気づけば私は瞬きするのも忘れるほど、無言でお父さんを見つめ返していた。
「……前は俺と目すら合わせなかったのに。人は変わるもんだな」
「本気なの。だから、もう逃げません」
「……」
お父さんは私を見た後、カレンダーを見た。
そして「時間は取れるな」と、小さく呟く。
「今までのツケ、十六年分だ。すぐにすぐ習得できると思うな。それ相応の時間が必要と思え。
一週間――この期間で全ての事を吸収しろ。弱音は一切吐くな。いいな?」
「はいっ」
私の返事を聞いた瞬間、お父さんは立ち上がる。そして書斎の奥にある、小さなドアを開けた。
え、あれってドアだったんだ!
壁と同化してて分からなかったよ!
「つまり隠し部屋?」



