クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「そーそー」


お互い頷いて委員長を見る。すると、ちょうど時山先輩のことを話していて――どうして今日、時山先輩がこの場にいるかの説明だった。


「今回の体育祭は、時山さんのお家の協力もあり――」


要約すると……どうやら時山家が体育祭に金銭援助をするらしい。その挨拶をするために、時山先輩は今日ここに呼ばれたらしかった。

キレイで可愛くて、マドンナで。更には学校行事に必要なお金まで用意してくれる――時山先輩の株は更に上がった。

だけど……そんな事、私はどうでもいい。時山先輩が、城ケ崎先輩を傷つけなければ、それだけでいい。


カサッ


「ん?」


机上に落ちた、小さな紙きれ。二つ折りにされたそれを開けると、中にはメッセージが。


【 これ、俺の連絡先。今度こそ登録しろよ 】


電話番号が書いてあり、その横に怒りの顔文字。へぇ、笹岡って顔文字かけるんだ。

意外な特技が面白くて「ふっ」と肩の力が抜ける。すると、こちらを睨む笹岡と目が合った。しまった、思わず顔に出ちゃってた。