もう遅いよ...

『もしもししぃちゃん!?』

「佐和くん、ごめんね...メッセージ...」

『ううん、全然大丈夫だよ、けど...坂村と何かあった?』

「...なんで?」

『昨日の夜、坂村から連絡来て...』



どうしてマキちゃんが佐和くんの連絡先を...?

ううん、そんなこと、一旦どうでもいい。

なんでマキちゃんが...



『なんか、朝イチしぃちゃんに連絡しろって言われて...あと、悪かったって』

「そう、なんだ...」



悪かった、はきっと、昨日の「嫌い」のことだろう。

別によかったのに...

どこまでも優しいマキちゃんに思わず笑みが零れる。




「しぃちゃん」

「?」

「坂村は、いいやつだよ」

「?うん!」



マキちゃんはいい人だ。優しくて、格好よくて...

素敵な人だ。

幼馴染みが私なのが勿体ないくらいに。