もう遅いよ...

朝起きると、佐和くんから連絡が入っていた。



『しぃちゃん、昨日坂村と何かあった?』




「え...?」



思わず声がこぼれ落ちた。

なんで...私なにも言ってないのに...




「なんでわかるの...?」




嬉しいけれど涙が溢れてくる。

だってそれは佐和くんには言えないことだから。

こんなことで辛いなんて言ったら、佐和くんと別れたいみたいだ。

私のわがままで付き合ってるのに、そんなこと言えない。

既読をつけたのに全く返信しない私にびっくりしたのか、佐和くんから電話が掛かってくる。

でも、今私鼻声だから...

ううん、出ないほうがおかしいし、私は今マキちゃん家にいるんだから...

これ以上佐和くんを不安にしたくない。