もう遅いよ...

当たり前のように隣に座るマキちゃん。

当たり前と言ったら確かに当たり前なのだが、久しぶりの距離感に少し戸惑ってしまう。



「あらー、やっぱり2人で並ぶとアベックみたいで素敵ねぇー」

「母さんやめろって…」

「でもぉ…」



マキちゃんと私が…アベック?!

カップルってことだよね!?

う、うう嘘!



「やっぱり付き合いたてのアベックって感じするわよー?」

「だからやめろって!!!」

「なによ薪飛、そんな怒らなくてもいいじゃない!」

「シノ…はさんは、彼氏がいるって言ったろ?」

「え…?」



しのはさん?

今マキちゃん、紫乃羽さんって言ったの?

彼氏がいるっていうのも言ってたし、気遣ってくれたのかな?

その気遣いが辛いなんて、私すっごく我儘だ…