もう遅いよ...

ガチャっという音がなったあと、私は呆然とその場に立ち尽くしていた。

佐和くんは、本当に来るのだろうか?

それとも、言葉のあやとかいうやつなのだうか?

まあなんにせよ、もし来たときのために準備しとかなくちゃ!

私が髪の毛を結い直そうとしてブラシをとったときのことだ。

インターホンがなり、私は恐る恐る一階へと降りていく。

すると、まさかの本当に、佐和くんがいたのだ。

え、本当に?!

目を疑うけど目の前にいるのは正真正銘の佐和くんだ。

う、うそ…本当に来るなんて!



「佐和くん、なんで。ホントに…?うそ…」

「うそじゃないよ」



にっこりと笑う佐和くん。

佐和くんは腕を広げる。

そして



「おいで」




と私に呼びかけた。

恐る恐る抱きつくと、佐和くんは私をぎゅっと抱き締める。

男の人の力だっ…!