隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 スコアをまとめて、PCにうつして、ドリンクボトルとジャグ洗って、洗濯も……当然すべて今日教わったばかりの仕事。

 またどこかに消えてしまったまりか先輩にはもう期待しないほうがいい気がする。


『男にうつつ抜かしてる暇、ないから』


 ……まりか先輩がうつつ抜かし担当だから、それ以外のマネージャーはそんな暇ないということですか?

 虚しくなって、ため息をついて落とした視界の中に、なぜかソフトボールが転がっていた。

 それを拾って、不意に体力測定のときの優成のボール投げを思い出した。

 結局あれって天然? 計算? 今度聞いたら教えてくれるかな。

 見上げた部室のアナログ時計は、18時を示していた。

 そういえば優成は今日うどん屋で18時からバイトって言ってたな。

 今頃うどんを茹でてるのかなぁ。 優成のうどん食べてみたいな。

 きゅう、とお腹が鳴って、エネルギー切れを起こす前にこなさなくてはとPCを立ち上げた、その時。 部室の扉が開いた。


「……あ、お疲れっす」


 入ってきたのは、船橋(ふなばし)朔耶(さくや)くんだった。