隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。


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「えっ、越谷そんなにやることあったの? やばいじゃん」


 しばらくわたしを側近の雑用係にしていた三田先生は、ようやくわたしの置かれてる状況を把握したらしく、いつも半分の目を少し上に押し上げて驚いた。 


「だからそうだって言ってるじゃないですか……」


 わたしは涙目で山盛りの洗濯物にまみれながら三田先生に抗議する。


「すまん。 まさかそんな抱えてるとは。 普通仮入部一日目は見学だけだからなぁ」

「そうなんですか!?」


 だとしたら先生も仕事を振りすぎでは!?


「うん。 悪いことしたな。 たまってるやつ片付けてきていいぞ。 なんか困ったことあったら遠慮なく言えよ」

「先生……!」


 急に頼もしい三田先生に、わたしは感激して両手を組んで目を輝かせた。


「まぁ言われても俺何もできないけど」

「えっ」

「サッカー部のことあんま知らんし」

「せ、せんせ……」

「まぁ頑張れ」

「……」


 乗り込んだ救助ヘリがもうすぐ墜落しますって言われたような気分だ。

 無責任な三田先生があくびするのを尻目に、わたしは部室に急いで作業に取り掛かった。