隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 そんな強い言い方しなくても……!


「船橋ってあれだろ、サッカー推薦で入って来た…」


 近くで休憩していたベンチの先輩がひそひそと話している。


「強豪校の推薦いけなくてうち来たらしい。 コーチも期待してるからしごいてるんだろうけど……毎日聞いてるこっちのほうがきついよな」

 
 毎日……? 船橋くん、毎日こんなしごかれてるの?


 先輩選手からボールを奪った船橋くんは、器用にボールを転がして歯を食いしばりながら他選手を抜いてフィールドを駆け抜けていく。
 誰よりも気合の入ったプレーをする船橋くんに、コーチは誰よりもきつい言葉を投げかけている。

 その時、ボールを取りに行った先輩が船橋くんに足をかけて、船橋くんが思い切り転んだ。

 思わず「あっ」と声が出る。


「っ、」


 痛そうに顔を歪める船橋くんに、先輩がニヤニヤと笑っている。


「大丈夫か船橋ぃ。 お前どんくさいなー」