隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「マネ希望の一年?」


 振り返るとそこには、声と同じく可憐で柔らかい印象の美少女が立っていた。

 低めのお団子に、巻かれたおくれ毛が大人っぽい。

 背の高さはわたしよりも低いけど、ジャージが赤いから二年生みたいだ。

 驚いてかたまるわたしたちに、美少女が花のように微笑んだ。


「二年マネージャーの阿見(あみ)茉莉香(まりか)です。 まりかって呼んでね。 ちょうど他のマネージャーみんな辞めちゃったところで大変だったの~。 三人も来てくれて助かるよ! よろしくね」

「あ、よろしくお願いします!」


 わたしたちが頭を下げると、まりか先輩は屈託ない笑顔を返してくれて、つられてだらしなく笑ってしまう。
 
 この笑顔、とても悪い人には思えない。 この先輩が6人も辞めさせたって、本当かな……?


「ちなみにみんなはなんでマネージャーになろうと思ったのー?」


 まりか先輩が柔らかい雰囲気そのままに、さっき木村先輩が好きだと言っていた子に目を向けた。