隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 彼は後ろを振り返って「一年マネ来たー! はやく服着てー」と奥の方に声をかける。 すると「え!」「マジ!?」「おい!片付けろ!」と男の子たち何人かが慌てふためく声がする。

 みんな一年生かな……?

 何人いるのか気になって声を数えようと試みていると、後ろの女の子たちの囁き声がそれを阻んだ。


「ね、今の名門クラブチーム出身の船橋(ふなばし)朔耶(さくや)くんだよね」

「だよね!?やばい、かっこいい~っ」


 興奮を押し殺しながら二人は頬を赤くしている。 
 ふむふむ、今のイケメンくんが船橋朔耶くんか……あ、忘れないようにメモしておこう。

 わたしはポケットに入れておいた小さなメモ用紙とシャーペンを取り出して、クラブチームから来た保冷剤くれたイケメン、ふなばしさくやくん、とメモする。

 その時、後ろから可憐で柔らかな声がした。