隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 柔らかいタオルのひんやりとした感触。

 その先に、自分とは違う男の子らしい大きな手がある。

 本当に心配そうにわたしを見つめる透き通った目に、思わずドキッとした。


「これ、しばらくしててください。 ほんとすいません」


 男の子はわたしの頬に保冷剤をあてたまま申し訳なさそうに言う。 わたしがドキッとしたことなんて、まったく気付いてなさそうだ。


「あっ、ありがとう……! あの、自分で持てるよ……っ」

「あ、うっす」


 わたしが自分で保冷剤を持つと、男の子はわたしの後ろにいる女の子たちにも目くばせして言った。


「えっと……マネージャー希望っすか」

「あ、そうです!」

「ちょっと待ってて、もうすぐ先輩来ると思う」