隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 二人はわたしに身を寄せて、少し声をひそめる。


「わたしはね、三年の木村先輩。 やっぱエースってかっこいいよね……!」

「わたし三年の白井部長〜! 背高いし顔も爽やかで大好き! 他にもサッカー部の先輩、かっこいい人いっぱいいるよね~!」


 そう言って嬉しそうにキャーキャーする二人。

 なるほど……! たしかに推しメンのこと近くで応援出来たらきっと嬉しい。

 サッカー部の彼氏が欲しいからっていう理由で来ちゃって場違いかなって思ってたけど、似たような理由で安心した。


「てか先輩まだかなぁ。 早めに来いって言われてたから急いで来たのにー」

「部室入ったほうがいいのかな?」

「やだ、緊張する! ひまりちゃんお願い! 先行って!」

「へっ、わ、わかった……!」