隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「……怖くないの?」


 その声はか細くて、酒々井くんの方が怖がってるみたいだ。


「怖くないよ。 だって酒々井くん、助けてくれた」


 私は酒々井くんから一切目を逸らさないで、嘘のない気持ちを口にする。


「もう昔のことは忘れる。 私、今の酒々井くんのことが知りたい。 普通に、いちクラスメイトとして、仲良くしたい!」

「……」


 酒々井くんは手のひらの飴に視線を落とした。


「……毒殺はあとがつきやすいよ?」

「ど!?毒殺、しないよ!?」

「ふ」


 酒々井くんが困ったように笑った。


「そっか。 ありがと」


 向けられた笑顔がイケメンすぎて、心臓がドクンッとわかりやすく高鳴った。