隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 私はポケットにあるものを思い出して、それを手の中に閉じ込めて酒々井くんの前に突き出した。


「これあげる!」


 酒々井くんは首を傾げながらも私の手の下に受け皿を作ってくれて、私はそこにポトリとそれを落とした。


「……飴?」


 友達にあげようと思ってしのばせていた、イチゴ味の飴。

 酒々井くんは私があげたそれをまじまじと見ている。
 

「酒々井くん!」

「え、はい」

「友達になろ!」


 酒々井くんの宝石みたいにキレイな琥珀色の瞳が、グラリと揺れた。


「……え?」


 私は動揺する酒々井くんの瞳を逃すまいと、真っ直ぐに見つめる。


「私、酒々井くんと友達になりたい!」


 ハッキリと言った私に、酒々井くんは理解できないと言わんばかりの顔をしてる。