隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「あの……病院行ったほうがいいよ!」

「別に大したことないよ。お構いなく」


 そう言ってまた歩き出してしまう。


「あ、待って!」


 咄嗟に制服の裾を引っ張って引き止めた。


「……なに?」


 例の三白眼で見下ろされて、頬の後ろの辺りが少しゾクッとした。


「っ……、あの…………あり、がとう」


 絞り出すように言った私に、酒々井くんはハッと笑いをこぼした。


「優しい強盗でよかったね」


 どこが優しかったと言うのだろう。

 この人、やっぱりやばい。

 普通と見せかけて、絶対普通じゃない。

 ……でも。


 『女の子殴んのは、ダメでしょ』


 助けてくれた。