隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 前世で人を殺したからって、現世でも同じとは限らないのかな……?
 
 同じ魂でも前世と今とじゃ環境も違うわけだし、私だって前世に比べるとまったく別の人生を歩んでいる。

 本当に普通の男の子なのかもしれない。
 
 出会い頭にあんなギャーギャー喚いちゃって、悪いことしたかも……。

 ぼんやり考えていると、冷たい風が私の首後ろを通り抜けた。


「……クシュンッ」

「ほら、薄着すぎんだって」


 汗が冷えたからか、急激に体が寒くなってきた。


「うう、美紗ちゃん、ジャージの中入れて」

「千切れるわ」


 授業が終わるまでまだ時間がある。

 このままでは風邪を引いてしまうかもしれない。


「教室に取り行ってくる!」

「一緒行くよ」

「ううん、走って行ってくるから大丈夫!」

「わかった。先に測定して待ってるね」