体育館に、銃声が響き渡った。


 わたしの額にあったはずの銃口は、優成の真横、テロリストたちの方を向いていた。

 テロリストのうちの一人がその場に崩れ落ちる。


「……え?」


 優成の視線は、わたしに向けられたまま。



「……運命なんか、俺がぶち殺してやる」



 優成の静かな殺意が、暖かく感じるなんて。



「……っ」



 とうとうわたしもおかしくなってしまったのかもしれない。

 

「てめぇ!」
 

 優成の裏切りを悟ったテロリストたちが一斉に優成に銃口を向けようとしたけど、優成は一瞬の隙も与えずに一人、二人撃ちぬきながらテロリストたちの方へ勢いよく走っていく。
 一人を肘打ちして気絶させ銃を奪いながらもう一人殴りかかろうとしていたテロリストを撃ち落とす。
 そして最後の一人の銃を奪い、額に銃を押し付け手をあげさせると、股間を蹴りつけて悶絶させて、動けなくさせてしまう。

 瞬く間に、一人で六人のテロリストを床に沈めてしまった。 そのまま六人から武器をすべてとりあげ一か所にまとめて縛り上げると、優成はふぅ、と息をつく。

 体育館は、まだ何が起こったのか理解できずにシンと静まり返っている。

 もちろん、わたしも。