隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 そう、俺は間違えた。

 ルーカスのような性格のいい美少年を、さすがに一日や二日でどうこうすることはないだろうとたかをくくっていた。

 ルーカスがマシューの家に行って二日後、様子を見に行った俺が目にしたのはマシューと口論して逃げようとしたところをあっけなく殺される兄の姿だった。

 なんだよ。 やっぱり神様なんていねぇじゃんって、俺はその変態ジジイからルーカスを殺した銃を奪って、殺してやった。


「はは……あはは」


 やっぱりこの世には善も悪もない。

 賢いやつが生きて、バカなヤツが死ぬんだ。




「……これ、お前がやったのか」


 血まみれで放心する俺に声をかけたのは、殺し屋の男だった。

 とても身なりのきれいな、誠実そうな男だった。
 その殺し屋は、変態ジジイに殺しの依頼があって殺すために来ていたらしい。

 獲物を横取りしてしまった俺を連れ帰ったそいつは、俺を殺すのかと思ったら、風呂に入れ、たらふく美味しいものを食べさせて、変態ジジイを殺った報酬を寄越してくれた。 それは、夢のような大金だった。

 兄と引き換えに手に入った冷たい大金。

 涙する俺に、殺し屋は言った。


「一緒にこの仕事するか?」


 率直に〝怖い〟と思った。

 怒りに任せて変態ジジイを殺すことはできても、仕事で人を殺すなんて。
 ただ、その時の俺にとっては、このままルーカスのいない元の生活を一人ですることの方が怖かった。
 だから俺は頷いて、殺し屋になった。