隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「あげる」


 わたしはいつだったか『仲良くしたい』と言って渡した飴と同じものを握って優成に差し出す。


「……いらない」


 そう言って優成は目を閉じてしまった。


「……」


 わたしは包み紙から透明の赤い飴を取り出した。


「はい、あーん」

「いやいらないって」


 飴を優成の唇にグイ、と押し付けるわたしに、優成は口を開けずに煩わしそうにしてしばらく、観念してカパッと口をあけた。


「あっま」


 そしてやっぱり、まずそうに顔を歪めた。


「疲れた体には甘いものがいいんだって」

「……そっすか」


 優成は眉間にしわを寄せながら、でも噛むことはせずに口の中で飴を転がしている。

 その仕草の一つ一つが可愛いくて、きゅんとする。


「……優成。 さっき負けたの、ワザとだよね。 なんで?」

「普通にやって普通に負けただけですが」

「嘘だ」

「……」