隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「っ……、」


 うそ

 うそでしょ


 わなわなし始める私に、少し驚いたように目を見張る彼は、やたら形の整った唇を静かに動かす。



「顔が……赤いですね……?」



 きっと半信半疑。

 私がエミリアかどうかを試すように呟いた彼のセリフと、ドキンと跳ねた正直すぎる心臓が、彼が〝彼〟であることを確信させた。

 彼も私の反応を見て確信したのか、信じられないといった様子で僅かに口角を上げる。



「少し外で涼みます?」



 その低い声が、銀髪の彼と重なる。



「っ、ひっ、」



 私が最期に見た初恋の人、兼、



「人殺しー!!!!」



 チャイムとともに、私の悲鳴が教室にこだました。