隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 もう目隠しなんかしてられなくてすぐにバンダナを外すと、眩しい太陽を反射する明るい校庭で、皆が楽しそうに笑って拍手している。

 そこは紛れもなく普通の学校で、ただの日常の一コマでしかない。

 ようやくまともに息ができた俺は、脱力してその場に崩れ落ちた。


「わ! 大丈夫!? 船橋くん!」

「っ、ハァ、ハァ、……ッ、ハ、」


 走ったわけでもないのに息が乱れて、汗だくになっていた。 強く握りすぎたのか、剣の持ち手がへこんでいる。

 皆が心配そうに俺を見る中で、


「船橋くん、大丈夫?」


 さも当然といった余裕の笑みでこちらを見下ろす酒々井。


「……っ」


 なんなんだよ。

 何者なんだよ、お前。