準備が終わり、審判役の男子に立ち位置に連れていかれて、剣道の試合のようにしゃがんで構える。
「なになに?」「なんの対決?」「やば、イケメンとイケメンが戦うの!?」
外野が増えたのか、周りが少し騒がしくなる。
現段階で酒々井が対面にいるということはなんとなくわかる。
「それじゃ行くぞー! よーい……スタート!!」
合図とともに立ち上がって、ひとまず横へ移動する。
音を鳴らさないように細心の注意を払う。
……酒々井の足音が聞こえる。
「いいぞー船橋くーん」
「優成! 足音うるさい! もっと忍ばせてー!」
酒々井の足音がした方へ剣を向けながら、なるべく回り込むようにしてすり寄る。
衣擦れの音や息遣い、そこに流れる空気感でわかる。 酒々井がそこにいる。
勝てる……!
そう思ってゆっくりと剣を上にあげた瞬間、
突然酒々井の気配が消えた。
「……!」
同時に、言いようのない恐怖が俺を襲い始めた。
「なになに?」「なんの対決?」「やば、イケメンとイケメンが戦うの!?」
外野が増えたのか、周りが少し騒がしくなる。
現段階で酒々井が対面にいるということはなんとなくわかる。
「それじゃ行くぞー! よーい……スタート!!」
合図とともに立ち上がって、ひとまず横へ移動する。
音を鳴らさないように細心の注意を払う。
……酒々井の足音が聞こえる。
「いいぞー船橋くーん」
「優成! 足音うるさい! もっと忍ばせてー!」
酒々井の足音がした方へ剣を向けながら、なるべく回り込むようにしてすり寄る。
衣擦れの音や息遣い、そこに流れる空気感でわかる。 酒々井がそこにいる。
勝てる……!
そう思ってゆっくりと剣を上にあげた瞬間、
突然酒々井の気配が消えた。
「……!」
同時に、言いようのない恐怖が俺を襲い始めた。



