わたしたちはそのまま来た道を戻って、再び電車に乗り込んだ。
ピークを過ぎた電車の中はがらんとしてて、ほとんど人が乗っていない。
車両の端、連結部に近い奥の座席にわたしが座ると、優成はわたしの右隣に腰かけた。
「……ありがとう、優成」
「いいえー」
優成はわたしの方を見ないで、窓の外を眺めている。
やっぱりどこか冷たい気がするけど……わたしの耳の異変に気付いて、この時間でもやってる耳鼻科にわざわざ連れてってくれたんだ。
優成は、なんだかんだ優しい。
右側が妙にくすぐったくて、胸がぎゅっと苦しくなる。
ああ、好きだなぁ。
……優成は今日、まりか先輩に告白されたんだよね。
デートしたのかな。 告白受けたのかな。
そういえば朝の『なんで殺したの』って質問にも答えてもらってないし、気になることはたくさんある。
聞くならきっと今だ。
でも……怖い。



