隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「じゃあ診させてもらうねー。 ぶつけたのは左耳の方かな?」

「あ、はい」


 宗像先生は使い捨て用の水色の手袋をはめて、痛みの具合やぶつかった時のことなど質問していき、ペンの先に鳥のくちばしのようなものが付いた器具をわたしの耳にあてて「あー」と声を漏らす。


「すこーし鼓膜やぶれてるねー」

「えっ」

「ほんのちょっとだけどね。 次は聞こえの検査するね」


 それからヘッドフォンをつけて聴力の検査をいくつかすると、宗像先生はササッとペンを走らせた。


「えっと……先生は耳鼻科の先生なんですか?」

「なんでも診るよー」

「なんでも……?」


 なんでもって、どのくらいなんでもなんだろう。


「……うん、やっぱり左耳ほとんど聞こえてないみたいだね。 鼓膜のやぶれた穴は小さいから自然に二~三週間でふさがって良くなると思うけど、しばらく気をつけて過ごしてね」

「はいっ」