隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 窓の外を眺めながらため息をつくと、なにか言いたげな優成の視線を感じて目を向ける。


「   」

「……? ごめん、なんて言った?」


 左耳、なんだかずっとゴワゴワしてて聞こえづらいな。


「……」


 優成はさっき朔耶が座っていた方に移動した。


「こっちの耳。 少し切れてる。 ぶつけた?」


 そう言って優成は、わたしの左耳を指さした。


「あ、うん。 ボールぶつかっちゃって」

「……」


『間もなく。△駅、△駅ー……』


 優成がわたしの手を引いて立ち上がった。


「降りるぞ」

「え?ここ、うちの最寄じゃないよ」

「知ってる」


 優成はわたしを引きずるようにしてドアの方へ向かい、そのままホームに降りてしまう。