隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「!?」


 突然足をはらわれて、ビクッと体を震わせて起きる朔耶。


「ちょっ、なっ、なにを……!?」


 しゃがんだ優成は、まだなにが起こったか理解できてない朔耶の顔を覗き込んでニッコリと笑う。


「おはようございまーす」

「え……?」

「電車ではちゃんと起きてないと。 うっかり誰かに殺されちゃうかもよ」


 これから狩りをする蛇みたいな目で笑う優成に、朔耶は動きを止めて絶句した。


「ちょっと優成……!」


 優成は私の言葉を無視して立ち上がり、私の隣に無遠慮に腰かけた。

 わたしを挟んで三人並ぶ形になる。


「ごめん朔耶、えっと、この人は私の隣の席の人で、酒々井優成ですっ!」


 朔耶はわたし越しに優成を見ると、警戒を緩めないままにペコッと会釈した。


「……サッカー部の船橋朔耶です」

「どーもー」


 優成はニコッと笑顔を浮かべるけど、やっぱりどこか怪しい笑顔だ。 朔耶も同じように感じたのか、眉間にしわを寄せる。

 なんか優成、変だ……機嫌悪い?