隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「……朔耶さん」

「スー……」

「おーい」

「スー……」


 つついたり揺らしてみたりしても、起きそうにない朔耶。

 ……相当疲れてるみたいだ。 それはそうだ、ここ最近の朔耶の自主練メニューのハードさは部員の中でも話題になるレベル。

 しかたない、このまま寝かせてあげよう。 周りに城華学園の生徒の姿は見当たらないし、変な噂をたてられることもないはず。
 いつもキリッとしてる朔耶が無邪気に寝てるなんて……いつも部活を見にきてる朔耶の隠れファンが見たら卒倒しそうだ。

 それにしても『辞めないよな』って、ビックリした。 心の中を読まれちゃったかと。
 朔耶はやっぱりわたしが部活で悩んでると思ってるんだな。

 練習中先輩に転がされても、コーチに酷いこと言われても一切悪口を言わなかった朔耶が『あの先輩どうかと思う』って……わたしのために怒ってくれたんだろうな。

 朔耶の優しさが胸にしみて、なんだかジーンとした。

 規則的に呼吸を繰り返す朔耶の体温は高くて、段々とわたしも眠くなってくる。

 いい友達ができて、サッカー部に入ってよかったなぁ……。

 そこで次の駅に到着した。

 ひと駅前で乗ってきた仲良しカップルが降りて、代わりに男の子が乗り込んできた。

 城華学園の制服が目に入って、あ、と思って顔をあげる。


「……!」