隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 すると、頭にふわ、と洗い立ての匂いがするタオルがかけられた。


「俺から先生に言うよ」

「え……?」


 見上げると、珍しく怒ったような顔をする朔耶がわたしを見下ろしていた。


「阿見先輩。 あの人、越谷に仕事押し付けてずっと仕事してないじゃん。 いままでは先輩だしと思って言えなかったけど……今日も先に帰ってたよな? さすがにどうかと思う」


 ……あ、そうか。

 朔耶は、わたしが泣いてるのはマネージャーの仕事が大変でキャパオーバーしたからだと思ってるのかもしれない。


「あ……あー、違うよ! マネージャーの仕事が大変でこうなっちゃってるわけじゃないよ! 先輩もなんか、色々大変みたいだし、大丈夫だよ!」

「でも、」

「本当に本当に大丈夫! 心配してくれてありがとう! あ、ほら、涙とまったし! ね」


 必死に弁解すると、不服そうにする朔耶がつぶやく。


「越谷がいいならいいけど……。 テーピング終わったら手伝うよ」

「えっ、いいよ。 練習の方が大事でしょ?」

「いいから。 俺が手伝いたい気分なんだよ」


 まだ不機嫌な目をしてる朔耶に、やっぱりいい子だなぁ、と実感する。


「……ありがとう」

「どういたしまして」


 これ以上将来有望な朔耶の心労を増やすわけにいかない。 しっかりしないと。