隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。


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 時刻はもうすぐ18時になろうとしていた。
 わたしは部室でひとり、一心不乱にデータ処理をしていた。
 耳の痛みに耐えながら、必死に数字と睨めっこしてなにも考えないようにするので必死だった。

 そのとき、扉がノックされたので「はい」と返事をする。
 

「あ、朔耶。 お疲れ!」

「越谷。 お疲れ」


 扉を開けて中に入ってきた朔耶はわたしに軽く会釈すると、ベンチに座りスパイクを脱いで、ほどけかけたテーピングを巻き取る。 どうやらテーピングを巻き直すために戻ったようだ。


「あ、やらせてくれない? テーピング練習したいの」

「え」


 朔耶はわたしを信じられないものを見るような目で見る。


「?」

「……いや、いやいや、ちょっと待って俺足、めっちゃ臭い、かも」


 朔耶は慌てた様子で汗拭きシートを取り出して、足裏を熱心に拭き始める。


「あははっ、大丈夫だよー足くさいのはみんな一緒だし、汗臭いのには慣れてるよ~!」

「いや、でも、」

「いいからいいから」

「え、うわっ、ちょっと……!」