隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

 ひとまず嵐が去って、わたしは糸が切れたように脱力した。

 眩暈はすぐにおさまったけど、ズキズキと耳の奥の痛みが続いていた。

 
「ちょっと待ってて!」


 そう言って外に走っていったまりか先輩は、しばらくして保冷剤と水、救急箱を持って戻ってきてくれた。 わたしが水をひとくち飲むのを確認すると、保冷剤をタオルに包んで耳にあてがってくれる。


「ありがとうございます……」

「    ……んの」

「……?」


 保冷剤を耳にあててるからか、まりか先輩の声が聞こえづらい。
 

「すいません、なんですか?」


 集中して耳を傾けると、まりか先輩がさっきよりも声を大きくする。


「あたし相手に点数稼ぎしてどうすんのって言ってんの!」


 予想外の言葉に、面食らう。


「え……?」
 
「もしあたしが越谷さんだったら絶対見て見ぬふりするしザマァって高笑いする。 それどころかいつも自分に嫌がらせしてくる先輩マネ庇ってケガするとかありえない。 お人よし通り越して、バカでしょ」


 いつものまりか先輩より1オクターブ低い声で繰り出されるセリフに、唖然とする。