隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「うっ!」


 衝撃とともに痛みが走り、キーンと耳鳴りがする。


「! 越谷さん!?」


 よろけたわたしを、驚いて目を丸くするまりか先輩が抱き留めた。


「大丈夫!?」

「だ……だいじょうぶ、です」


 耳鳴りがうるさい。 耳の中が痛い。 めまいがして立っていられなくて、座り込む。

 耳を押さえながら目を開けると、心配そうにわたしを見るまりか先輩の奥に、困惑して冷や汗をかいている白井部長がいた。


「お、俺は悪くねぇぞ! 全部この最低な女が悪いんだ!」


 そう言ってまりか先輩を指さした白井部長を、


 パァン!


「!」


 まりか先輩が、引っ叩いた。


「女の子に暴力ふるう方が最低だから!!」

「なっ……!?」

「あたし知ってんだから! 去年の夏休みに他校の女子と映画デートしてたこと! それ以外にもいっぱい浮気してたの知ってるのよ! こっちはずっと目つぶっててあげたのに、なにが『俺は悪くねぇぞ』よ! 浮気男の上にDV男なんて、最っ低!!」

「っ、」


 まりか先輩から連射砲のように打ち出される言葉たちに、白井部長は後ずさる。


「う、うるせぇ!とにかく、お前がクソ女ってこと学校中に知らしめてやる!」

「はぁ?そんなことしたらあんたのクズっぷりも広まりますけどー?」

「っ、」


 これ以上は分が悪いと踏んだのか、白井部長は「クソが!」と吐き捨てて逃げるように体育倉庫から出て行った。