黒い王子と、甘い恋の嘘。



「黒崎。絶対に、練習試合も本番も勝ってやるから。

──乃愛は俺がもらう」


「……望むところです。一条くん。
でも、乃愛は俺の彼女なんで。渡す気ないですから」

「よく言うよ。嘘カレのくせに」

「……嘘だとしても、気持ちは本物だから。理央なんかに渡すかよ」

「へえ、マジモードだね、蓮。外では優しい王子様演じてるのに」

「……乃愛のためなら、キャラでも財産でも捨てる覚悟あるし。俺が素でいられるのは乃愛の前だけ。

……乃愛は俺の唯一だから」


「じゃあお手並み拝見か。……俺も本気で行くからな」



──彼らが火花を散らしていたことは、誰も知らない──。