ギュッと、遠慮がちに、
三栗柚月さんの上着の裾を掴むと。



「.........っ、どうすれば、近づけますか?」



自分でも無意識に、
三栗柚月さんを見上げて、そう尋ねた。



すると.........、三栗柚月さんは顔を隠して。



「.........っ、やっぱいいよ。色気付けなくて」



そう言うと.................................



「今日のことも、昨日のことも、
小原には黙っておくから、帰るよ」



私に、
足りないものは、〝色気〟だと思ってたのに。



三栗柚月さんと、出会って3日目。



──────私と、手を繋いでくれた。