──────パタンッと。



ドアが閉まったのと同時。



「小原って、酒飲むとカリカリすんの。
それに、京介のこともあるし。妹ちゃんは、
ほとぼり冷めた頃に、家に帰んなよ」



そう言って、腕を離して、
軽く、頭をポンッとすると。



そのまま、部屋を出ようとした男の子。



だけどなんだか、怖くて。



「...............っ、むり、ですっ、
今日は、一緒に、いてください、」



ギュッと袖を掴むと、そう言葉にした。



すると、気づけば身体は宙に浮いていて。



いつのまにか、
降ろされた場所はふかふかのベッド。



「............ん。わかった。いるから、寝な」



その、温かくて、
優しい囁きに、私はいつの間にか眠っていた。




その夜、私は夢を見た。



〝3万円で、ヒーローに助けて貰う〟



──────そんな夢を。