逃避行、じゃあね。


次の到着駅で終点だと知らせるアナウンスが流れた。


お互いのことを話すうちに、そんなに時間が経っていたなんて。


「まだ、一緒にいていいよね?」


なんて不意に言われたから、ドキッとした。


「うん。地元だったら詳しいだろうし色々案内してよ、あと勉強も教えて。笑」


私がそう言うと、蓮は任せてとにっこりした。


座ってる時はそんな感じしなかったのに、立ってみると蓮の背が高いことにびっくりした。


「身長高いね。やっぱりバスケやってると背高くなるのかな。」


1時間ちょっとの乗車時間で、蓮が中学までバスケ部だったこと、でも今は帰宅部なこと、一人っ子であること、犬派なこと、などなど、彼について少しだけ知ることができた。


「俺が背高いんじゃなくて瑠菜がちっさいだけじゃない?」


「最悪、コンプレックスなんだから」


「ごめんごめん、俺は可愛いと思うよ。」


「フォローになってないから。」


とは言ったものの、少し照れてしまったのはここだけの話。