私の家から車で10分くらい。高円寺の駅からは徒歩15分弱のところに、桔平くんのマンションはあった。
そんなに大きくはないけれど、とても綺麗な外観でデザイナーズマンションっぽい。しかもカードキー。もしかして、分譲マンション?2階にはジムが入っていて、桔平くんは定期的に体を動かしてるんだって。だから結構筋肉ついてるんだね。
桔平くんの部屋は最上階の8階。この階には1部屋しかないみたい。
「はい、どうぞー」
「お、おじゃまします……」
ドキドキしながら玄関に入ると、照明が自動で点いた。
廊下の脇に、洗面所と浴室とお手洗いがある。すごく綺麗で、まるでホテルみたい。
そして部屋の中は、意外なほどシンプルだった。何も仕切られていない、とっても広いワンルーム。これ、30畳くらいあるんじゃない?もっとある?天井が高くて、余計に広く見える。
たくさんの本が詰め込まれた、天井まである大きな本棚。そしてその前には描きかけの絵があって、床に画材が広げられていた。壁際には電子ピアノが置いてある。
部屋中央の壁際には、多分キングサイズ?の大きなベッド。あ、カーテンがない。テレビもない。そして広さに対して、家具がすごく少ない。生活感が全然なくて、やっぱり桔平くんの部屋って感じがした。
「すげぇキョロキョロしてる」
「ご、ごめん」
「いいよ。好きなだけ観察して。大して何もねぇけど」
「カーテンなくて不便じゃないの?」
「いや、全然。周りに高い建物ないから外からは見えねぇし、窓はペアガラスだから断熱性高いし。あ、クローゼットこっち」
手招きされて入ったのは、ものすごく広いウォークインクローゼット。クローゼットっていうか、もはや部屋じゃないのこれ……。洋服だけじゃなくて、イーゼルとか絵画とかいろいろな物が置かれているのに、まだスペースがたくさんある。
持ってくれていた私のバッグを置いて、桔平くんはクローゼットの中を少し片付け始めた。
「あ、ここ空いてるわ。この引き出し使っていいよ」
下着とか服を置いておけば、いつでも泊まれる。でも……。
「あの……桔平くん」
「んー?」
「我慢させて、ごめんね。その……まだちょっと怖いっていうか……」
泊りには来るのに、エッチさせてくれない彼女って。なんだか、すごく酷い女なんじゃないかって思ってしまった。
桔平くんは手を止めて私に向き直る。その表情は、すごく優しい。
「気にすんなよ。セックスなんて、ボーナスステージみたいなもんだろ。それが目的で付き合うわけじゃねぇんだから。今日はちょっと舞い上がってて、特に忍耐が必要ってだけ」
「桔平くん、舞い上がってるの?」
「好きな子から好きって言われたら、そりゃ舞い上がるだろ。だからさっきは、思わずがっついて……」
さっきの桔平くんとのキスを思い出したら、また頬が熱くなってきた。ていうか、桔平くんでも舞い上がることがあるんだ。いつも余裕そうな顔をしているのに。
そんなに大きくはないけれど、とても綺麗な外観でデザイナーズマンションっぽい。しかもカードキー。もしかして、分譲マンション?2階にはジムが入っていて、桔平くんは定期的に体を動かしてるんだって。だから結構筋肉ついてるんだね。
桔平くんの部屋は最上階の8階。この階には1部屋しかないみたい。
「はい、どうぞー」
「お、おじゃまします……」
ドキドキしながら玄関に入ると、照明が自動で点いた。
廊下の脇に、洗面所と浴室とお手洗いがある。すごく綺麗で、まるでホテルみたい。
そして部屋の中は、意外なほどシンプルだった。何も仕切られていない、とっても広いワンルーム。これ、30畳くらいあるんじゃない?もっとある?天井が高くて、余計に広く見える。
たくさんの本が詰め込まれた、天井まである大きな本棚。そしてその前には描きかけの絵があって、床に画材が広げられていた。壁際には電子ピアノが置いてある。
部屋中央の壁際には、多分キングサイズ?の大きなベッド。あ、カーテンがない。テレビもない。そして広さに対して、家具がすごく少ない。生活感が全然なくて、やっぱり桔平くんの部屋って感じがした。
「すげぇキョロキョロしてる」
「ご、ごめん」
「いいよ。好きなだけ観察して。大して何もねぇけど」
「カーテンなくて不便じゃないの?」
「いや、全然。周りに高い建物ないから外からは見えねぇし、窓はペアガラスだから断熱性高いし。あ、クローゼットこっち」
手招きされて入ったのは、ものすごく広いウォークインクローゼット。クローゼットっていうか、もはや部屋じゃないのこれ……。洋服だけじゃなくて、イーゼルとか絵画とかいろいろな物が置かれているのに、まだスペースがたくさんある。
持ってくれていた私のバッグを置いて、桔平くんはクローゼットの中を少し片付け始めた。
「あ、ここ空いてるわ。この引き出し使っていいよ」
下着とか服を置いておけば、いつでも泊まれる。でも……。
「あの……桔平くん」
「んー?」
「我慢させて、ごめんね。その……まだちょっと怖いっていうか……」
泊りには来るのに、エッチさせてくれない彼女って。なんだか、すごく酷い女なんじゃないかって思ってしまった。
桔平くんは手を止めて私に向き直る。その表情は、すごく優しい。
「気にすんなよ。セックスなんて、ボーナスステージみたいなもんだろ。それが目的で付き合うわけじゃねぇんだから。今日はちょっと舞い上がってて、特に忍耐が必要ってだけ」
「桔平くん、舞い上がってるの?」
「好きな子から好きって言われたら、そりゃ舞い上がるだろ。だからさっきは、思わずがっついて……」
さっきの桔平くんとのキスを思い出したら、また頬が熱くなってきた。ていうか、桔平くんでも舞い上がることがあるんだ。いつも余裕そうな顔をしているのに。



