神楽さんには強気な態度だったのに、あたしの顔を見た瞬間、衣吹さんは眉毛を下げて仔犬のような顔になった。
「ごめんね?痛くなかった?大丈夫?」
「だ、大丈夫です」
そう答えたらギュッと抱きしめられて。
「良かった〜〜。学校から帰ったら羽瑠ちゃんヒートになったって聞くし、心配してたんだから〜!」
正直抱きしめられたことに戸惑った。
だけど、衣吹さんの優しさに胸がいっぱいになって、キュッと控えめに、掴むように手を後ろに回した。
「ねえ羽瑠ちゃん。一緒にお出かけしない?お父さんからお小遣いもらったの!」
「えっ……?」
「これから買い物に行こうよ!羽瑠ちゃんの物を買いに!」
「えっと……」
「羽瑠ちゃんはもうこの家の住人だもん!家具とか服とか……まだ買ってないよね?」
目を輝かせ、楽しそうに話す衣吹さんにあたしは思わず俯いた。


